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2009年6月24日 (水)

「都立図書館の改善・充実アンケート」都議会各会派の回答(最終)

「東京の図書館をもっとよくする会」は、一人会派4会派を含む都議会9会派に「東京都立図書館の充実・改善についてのアンケート」を出しました。6月24日現在、都議会・生活者ネットワーク、自治市民‘93、都議会公明党、日本共産党東京都議会議員団都議会民主党の5会派から回答がありましたので掲載します。掲載は到着順です。これは先に掲載したものが、締め切りの関係で2つに分かれたのでまとめたものです。(先の掲載では、都議会・生活者ネットワークと自治市民‘93の順を前後して紹介しました。お詫びいたします。)

また、東京都議会自由民主党からは「このアンケートに回答する予定はない」との連絡がありました。

(アンケート本文を参考のため冒頭に掲載します)

           

            「東京の図書館をもっとよくする会」事務局 池沢

                                   

               御中

都立図書館の整備充実についてのアンケートのお願い

2009年5月11日  

東京の図書館をもっとよくする会  

代表  大澤 正雄  

謹啓、貴下におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

「東京の図書館をもっとよくする会」は、東京都内の公立図書館の一層の充実を願うものが寄り合い、活動を行っている団体です。

  東京都は1970年代から公立図書館を文化政策の柱と位置づけて整備充実を進め、1973年には都立中央図書館を、1987年には都立多摩図書館を開設し、区市町村立図書館の支援と、調査参考サービスを進めてきました。2008年には都民人口の4割にあたる510万人が公立図書館を利用しています。

しかしながら、東京都教育庁は、都立図書館の施設・資料・人的資源を抑制する都立図書館「改革」を2001年から進めてきました。

1908年、東京市立日比谷図書館が市民の書斎として開設されてから蓄積されてきた都立図書館の蔵書と司書によるサービスは都民の宝です。これを引き継ぎ、さらに充実して将来に伝えていくことは私たちの願いであり責務であると考えます。

つきましては、別紙記載のことについて、貴党(会派)のお考えをお示しいただきたく、お願いいたします。お答えは当会のホームページなどに掲載させていただきます。5月末日までに、お答えを同封の返信用封筒でご返送くださいますようお願い申し上げます。

ご多用のなか、誠に恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

1.返送・問合せ先(略)

2.送付資料

1)アンケート依頼状(本紙)

2)アンケート質問用紙

3)アンケート回答用紙

4)返信用封筒

都立図書館の整備充実についてのアンケート 質問用紙

1.【司書職員の計画的採用・活用について】

昨年、図書館法の改正を審議した衆院文部科学委員会と参院文教科学委員会は、図書館の専門職員である司書について、「多様化、高度化する国民の学習ニーズ等に十分対応できるよう・・・専門的能力・知識等の習得について十分配慮すること」とし、「有資格者の雇用確保、労働環境の整備、研修機会の提供など、有資格者の活用方策について検討を進める」ことを求める附帯決議を全会派一致で採択しました。

東京都は司書の定数削減を進め、ここ9年間は採用を行いませんでした。その結果、必要な司書が配置できず、その年齢構成も極めていびつになっていると報じられています(参考資料①)。

多様化、高度化する資料・情報要求に十分に応えられる司書職員を確保、育成していくために、過度の定数削減を見直し、計画的・安定的に採用する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

2.【区市町村図書館への協力・支援サービス縮小方針について】

東京都教育庁は、現在、都立図書館が区市町村立図書館に提供(協力貸出)する図書・雑誌を大幅に制限したうえ、提供(協力貸出)した図書・雑誌を住民・利用者に貸出さず、原則として借り受け館内の利用に限ることを計画しています。

  都道府県立図書館の役割は、地域の公立図書館のサービスを支援し、地域の公立図書館と一体になって住民の資料・情報要求に応えることではないでしょうか。

私たちは、資料・情報提供という図書館のもっとも基本的サービスを切りつめる方策をとるべきではないと考えますが、いかがでしょうか。

3.【資料収蔵スペース、施設の拡充について】

都立中央図書館は開設から36年経ち、書庫は3年後には満杯になる状況です。教育庁は20022月議会で、1タイトル1冊の資料は都立図書館として廃棄せず保存すると言明しました。しかし、教育庁は都立図書館の施設拡張は行なわないという2001年に定めた方針(20021月「都立図書館あり方検討委員会」(第一次)報告)を変えていません。この方針に固執するなら、議会答弁を反故にし、保存期間を短縮し、蔵書を次々と除籍・廃棄することになるのは明らかです。

都立図書館は、首都の中央図書館として、図書資料を後々までの利用に供することを期待されており、蔵書を増やすのは当然ではないでしょうか。

50年、100年の将来を視野に入れ、都立図書館の資料収蔵スペースを拡充する計画を早急に策定し具体化すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 

4.【図書館協議会の委員の選任について】

 都立図書館は、図書館法第15条に基づき都立図書館協議会を設けています。図書館協議会は、館長の諮問に応えるとともに、図書館奉仕について館長に対して意見を述べる機関ですが、東京都教育委員会はここ数年、委員の公募を行わず、都内区市町村の公立図書館長を委員から除外しています(参考資料②)。

図書館法は、委員の任命対象を学校教育、社会教育、家庭教育関係者と学識経験者としています。私たちは、都立図書館の奉仕の対象である都民から公募し、都内公立図書館長から委員を選任するべきだと考えますが、いかがでしょうか。

5.【都立図書館の将来構想の作成について】

東京都教育庁は都立図書館の改革方針(前記20021月報告、20058月「都立図書館あり方検討委員会」第二次報告―都立図書館改革の基本的方向―)を作成し、具体化してきました。しかしながらその内容は、将来にわたり図書館経費を抑制する基調のため、憂慮されるものになっています。

私たちは、教育庁幹部が密室で作成したこれら改革方針を見直すこと、そして都立図書館の将来構想を図書館関係者や有識者による都民に開かれた場で論議し作成することが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。

【参考資料】

都立図書館:司書採用、9年ぶりに再開方針 /東京

毎日新聞 平成2137(朝刊24面)

 都人事委員会は6日、都職員採用で01年度試験から凍結してきた都立図書館司書を09年度試験で9年ぶりに再開する方針を明らかにした。短大卒程度が対象の試験区分「2類」で1人程度を募集する。

 都立図書館は、中央(

港区

日比谷(千代田区、今年7月に区へ移管される予定)多摩(立川市)--の3館。中央図書館総務課によると、昨年12月現在、常勤司書は計110人の64・5%に当たる71人が50歳以上。これに加え、定年後に再任用された司書が14人いる。

 新規採用の凍結に伴い、最年少の司書は33歳で20代はゼロとなっている。団塊世代が大量退職する中でも、利用者の支援には経験の蓄積が求められるため、新規採用の再開を求める声が出ていた。

 一方、都人事委は同日、雇用情勢の悪化を受け、09年度試験で都職員の採用予定者数を945人程度とし、前年度に比べ273人程度増やして実施すると発表した。身体障害者らを対象にした試験の詳細は、これとは別に発表する予定。【木村健二】

②第23期東京都立図書館協議会委員名簿 (平成18121日~平成201130日)

氏名

現職等

糸賀 雅児

慶應義塾大学文学部教授

尾城 孝一

国立情報学研究所開発・事業部コンテンツ課長

奥村 美惠子

都立目黒高等学校長

小林 麻実

アカデミーヒルズ六本木ライブラリーアドバイザー

島田 京子

日本女子大学事務局長

辰巳 渚

文筆家・マーケティングプランナー

千野 信浩

週刊誌記者

中島 元彦

元・東京都教育長/東京市政調査会常務理事

野末 俊比古

青山学院大学文学部准教授

日髙 芳一

豊島区

教育委員会教育長

松尾澤 幸恵

稲城市

教育委員会教育長

山田 真哉

公認会計士

                                   

「東京都立図書館の充実・改善についてのアンケート」回答

1.都議会・生活者ネットワーク

1.【司書職員の計画的採用・活用について】

  専門的知識を持って、区市町村図書館を補佐・支援して行くべき都立図書館の職員には、司書資格を持つ人を増やしていくべきとかねてより主張して来ました。

  当然、計画的・安定的な採用が必要と考えます。

2.【区市町村図書館への協力・支援サービス縮小方針について】

  区市町村図書館が財政的な理由などから更なる充実が行なえない場合も多く、都の役割は区市町村図書館への協力・支援を行う意味が大きいと考えております。

3.【資料収蔵スペース、施設の拡充について】

  おっしゃるとおりです。

4.【図書館協議会の委員の選任について】

  生活者ネットワークは審議会や協議会に公募都民を入れるべきであると常に主張してきました。しかし、教育委員会関係ではなかなか一般都民や現場の声を聞こうとしない状況が続いており、残念なことだと思います。

5.【都立図書館の将来構想の作成について】

  まったく同感です。

  教育や文化というものに対して、目先の行政改革に追われて、愛情と将来を見据えた考えを持たない行政では、人を育て、発展を求めることは難しいと思います。

2.自治市民‘93

1.【司書職員の計画的採用・活用について】

 社会教育の重要な柱を担う人材として司書の計画的採用が望まれます。自ら学ぶためには図書館司書の専門的知識による学習支援が欠かせないと思います。

2.【区市町村図書館への協力・支援サービス縮小方針について】

 国立国会図書館の資料を地域の図書館で借りたものの館内利用しかできないため、有効に使えなかった思い出があります。館外貸し出しは利用者の知る権利を満たす上で必要な要素で、この部分を縮小するのは本末転倒と言わざるを得ません。

3.【資料収蔵スペース、施設の拡充について】

 国立国会図書館も資料増加のために関西館を作ったように、東京都もスペースがなければ新たな施設建設も含めて考えるべき時期に来ていると思います。また出版社の多くが東京に集中しているという地域特性を生かして、各出版社に協力を求めることも必要かと考えます。

4.【図書館協議会の委員の選任について】

 限られた予算の中で副本を多くすべきか、それとも資料的価値の高い本を購入すべきなど本の選定をめぐって図書館利用者の中には様々な意見があり、しかもその意見は一長一短があり片方が正しくてもう片方が間違いと単純に言い切れるものではありません。

これらの考えを整理し、方針を出すためにも図書館協議会に都民が複数選ばれるべきだと考えます。

5.【都立図書館の将来構想の作成について】

 生涯教育が言われる現在、学校教育だけではなく社会教育の占める要素が重要であると思います。その中でも図書館の占める位置は重要と考えます。利用者の声を反映した透明性のある形による将来構想を作ることによって、図書館予算を減らそうという動きに対抗できると思います

3.都議会公明党

1.【司書職員の計画的採用・活用について】

  ベテラン司書職員の大量退職が続く中、中長期的な視点に立って、司書職員を計画的に確保・育成していくことは必要であると考える。

2.【区市町村図書館への協力・支援サービス縮小方針について】

  区市町村図書館に対する支援や連携協力は重要な役割であると考える。区市町村図書館への提供の制限については、都立図書館の直接来館者へのサービス、蔵書の劣化防止等の問題もあると聞いている。都教育委員会の動きを注目していきたい。

3.【資料収蔵スペース、施設の拡充について】

  都立図書館の蔵書の保存方針に従い、都教育委員会が適切に判断すべきことと考える。

4.【図書館協議会の委員の選任について】

  都教育委員会が判断すべきことと考える。

5.【都立図書館の将来構想の作成について】

  都立中央図書館は平成21年1月にリニューアルオープンし、また、都立多摩図書館は同年5月に東京マガジンバンクをオープンさせたところであり、今後の将来構想については、都教育員会の動きを注目していきたい。

4.日本共産党東京都議会議員団

1.【司書職員の計画的採用・活用について】

  貴会のお考えに賛同します。

  司書職員が十分に配置され、専門性を発揮していることは、図書館およびその蔵書が生きたものとして都民に活用されるための大前提です。都は定年退職を補充せず、ワンストップ化や日比谷図書館の千代田区移管で定数を削減していますが、定数を増やし、計画的に採用して育成を図るべきです。

2.【区市町村図書館への協力・支援サービス縮小方針について】

  貴会のお考えに賛同します。

 都立図書館に出向き、ゆっくり時間をかけて図書を閲覧できる都民は限られています。幅広い都民が都立図書館サービスを利用できるようにするために、協力貸出の制限や期間の短縮、借り受け館内の閲覧のみに限ることは行うべきではないと考えます。

3.【資料収蔵スペース、施設の拡充について】

  貴会のお考えに賛同します。

 資料の収集と保存は都道府県立図書館の重要な役割の1つです。収集の充実について私たちは、都立図書館の図書購入費を最高時の4億6千万円の水準に増額するよう、都議会で予算の組み替え提案を行いました。同時に、古い本は廃棄するという方針は改めて、資料収蔵スペースを拡充して、保存もしっかりと行っていくべきと考えます。

4.【図書館協議会の委員の選任について】

  貴会のお考えに賛同します。

 図書館協議会は、地域住民や利用者の声を十分に反映して図書館を運営するために設置するものであり、利用者や公募委員を加えないのはおかしいと思います。また、区市町村立図書館は、都立図書館と協力関係にあり、都民にとっては都立図書館利用の窓口の1つでもあるわけですから、区市町村立図書館長の館長を加えるのも当然と考えます。

5.【都立図書館の将来構想の作成について】

  貴会のお考えに賛同します。

 当時、あり方検討会はメンバーが庁内の課長級までの幹部だけ、都立図書館の司書や区市町村立図書館の関係者、利用者の意見を聞かず、図書館協議会にも諮問がないなかで方針を作成したことを、私たちは批判してきました。図書館関係者や有識者、都民に開かれた場で議論し、方針を見直していくべきだと考えます。その際、資料の収集と保存、都民サービスを充実させる方向で進めることは当然です。

5.都議会民主党

1.【司書職員の計画的採用・活用について】

 民主党は、本会議、文教委員会等でも、司書職員の確保、育成やレベルアップ、レファレラルサービスでの専門機関との連携が重要と考え、取り組みを求めてきました。今後も継続して取り組みます。

2.【区市町村図書館への協力・支援サービス縮小方針について】

  民主党は、本会議、文教委員会等でも図書館の充実を取り上げ、都立図書館の区市町村立図書館をバックアップする機能は重要、都内図書館のネットワークを構築すべきと求めてきており、今後も継続して取り組みます。

3.【資料収蔵スペース、施設の拡充について】

  民主党は、本会議、文教委員会等でも図書購入予算の拡充を求めました。また、保存年限を有限にし、1タイトル1冊とした収集方針、公共財である資料のマネジメントに疑問を呈し、書庫スペースを拡大すべきと主張してきました。改選後も実現に向けて取り組んで参ります。

4.【図書館協議会の委員の選任について】

  質問1.~3.で述べたように、都立図書館は、公共の財産として、知の集積拠点として、充実する方向性が必要と考えます。

  石原知事の緊縮財政の下、何を守り、何を削るかという、都の財政方針の影響を受けているのではないでしょうか。

  民主党は、図書館充実へと財政方針を転換させ、その上で、都教育委員会に図書館のあり方についても都民を入れた検討をするよう求めていきます。

5.【都立図書館の将来構想の作成について】

  質問1.~4.で述べたように、都立図書館は、公共の財産として、知の集積拠点として、充実する方向性が必要と考えます。

  これらの検討も石原知事の緊縮財政の下、何を守り、何を削るかという、都の財政方針と無関係ではないと考えます。

  民主党は、図書館充実へと財政方針を転換させ、その上で、都教育委員会に図書館のあり方についても都民を入れた検討をするよう求めていきます。

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コメント

黒沼清さまより以下のコメントをいただきましたが、管理人が編集して誤って消してしまいました。大変失礼しました。
ご指摘のことは、アンケート回答本文の順が正しいものです。修正しました。お礼を申し上げます。

たまたま都議選の情報を知ろうとして見つけました。
各会派の主張が分かって参考になります。ありがとうございます。
各会派の回答順では自治市民’93が一番先に回答したことになっていますが、アン
ケートの掲載では2番目になっています。どちらかが間違いだと思いますがどうなっ
ていますか。
すぐ回答したかや順番や締め切りを守るかどうかも一つの判断材料だと思いますの
で。
2009年6月18日 (木) 10時31分

投稿: 管理人 | 2009年6月24日 (水) 14時24分

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