2012年12月10日 (月)

都知事候補者に都立図書館等の整備充実についてのアンケート

東京の図書館をもっとよくする会は、都知事候補者9名の方々に都立図書館、都立高校図書館の整備充実についてのアンケートをお願いいたしました。9日現在で2名の方からご回答がありましたので、公表いたします。掲載は、「1.アンケート本文」に続いて、「2、回答」の順とします。

 なお、以降の回答につきましては、届き次第順次に掲載いたします。

1.アンケート本文

都立図書館及び都立高校図書館の整備充実についてのアンケート

201212月3日

東京の図書館をもっとよくする会

代表  大澤 正雄

「東京の図書館をもっとよくする会」は、東京の図書館の充実を願うものが交流し、望ましいサービスのあり方を検討し発言する活動を行っております。

東京都は1970年代から図書館を文化政策の柱と位置づけて区市立図書館の設置充実を進めるとともに、都立中央図書館を開設し、区市町村立図書館と連携し貸出から調査参考サービスなど多様なサービスを活発に進めてきました。

これらの結果、公立図書館では2011年度には都内人口の45%590万人が一人あたり20点の資料を図書館から借り出しており、都民のくらしに図書館が根づいてきています。

1908年に東京市立日比谷図書館が市民の書斎として開設されて100有余年、蓄積されてきた都立図書館の蔵書と、サービスを担う司書は都民の宝です。これを引き継ぎ、さらに充実して将来に伝えていくことは私たちの願いであり責務であると考えます。

また、都立高校の図書館では1971年から全国に先駆けて学校司書を配置し、都立高校図書館の充実を図ってきました。ところが、この十数年都は新たに学校司書を採用していないため、都立高校の7校で司書の欠員が生じ、これを契機として2010度、委託の導入を決定しました。現在、委託校は40校にもなっています。学校図書館の委託を取り止めて正規の司書を配置し、生徒の学習や利用相談を援助する態勢を整えることが、現在の都立高校にとって喫緊のことと考えています。

つきましては、別紙アンケートにご回答頂き、都知事選挙立候補に当たってのお考えをお示しいただきたく、お願いいたします。

12月9日までにお答えをメール、ファクス、郵送などでお送りください。

お答えは当会のHPに掲載し、都民のみなさまにその内容をお知らせします。

1210日以降の到着は順次公表するようにします。

事務所等のメールアドレスの分かる方にはそちらにもメールで同じものを送付します。

ご多用のなか、誠に恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

アンケート 質問

【都立多摩図書館の移転・改築について】

1. 東京都は、昨年度から、新都立多摩図書館の基本設計を行っているとのことです。

 しかし、新館計画の内容は秘され、作業は密室で行われています。40年前の都立中央図書 館 新設の際には、都内公立図書館関係者の意向を聞き透明な計画・設計が行われました。

 新都立多摩図書館の計画についても、都民および都内公立図書館関係者から幅広く意見を取り入れ、都民の期待に応える図書館を作るべきだと考えますが、いかがでしょうか。

【東京の図書館の資料保存について】

2. 都内の区市町村立図書館は、現在、多くが蔵書で満杯状態になっており、その対応は東京の図書館政策の緊急の課題です。資料保存については、現在NPO法人共同保存図書館・多摩が研究・普及活動をし、また市町村立図書館長協議会も活発に共同利用保存の問題を検討しています。都立図書館は、こうした団体や図書館と連携して、都内公立図書館の資料保存の方策を策定する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

【都立図書館の協力貸出事業の推進について】

3.都民が求める資料を早く確実に提供することは図書館の使命です。そのため、都立図書館は、区市町村立図書館に蔵書を提供する協力貸出事業を行ってきました。

  都は2001年以来、2次にわたる都立図書館の改革方針(2002 年1 月「都立図書館あり方検討委員会」(第一次)報告、2005 年8 月「同」第二次報告―都立図書館改革の基本的方向―)の中で協力貸出事業の縮小を企図しましたが、都立図書館の役割は区市町村立図書館と一体になって1300万都民の住民の資料情報要求に応えることだと存じます。都立図書館は、区市町村立図書館への協力貸出事業を縮小せず、一層力を入れる必要があると考えますが、いかがでしょうか。

【都立図書館の司書の計画的採用について】

4.都立中央図書館開設の頃に採用された司書が定年期を迎え、ここ数年、毎年10人前後定年退職しています。しかし、新規採用は2009年度まで20年間行われず、2010年度に1名、11年度に1名、12年度に2名にとどまります。2013年度は6名を採用予定と発表されています。

  きめ細かく都民の資料情報相談にこたえる図書館専門職員司書の採用について、退職職員数に見合った計画を立てるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

【都立図書館の将来構想の作成について】

5.都は、都立図書館の改革方針に基づいて、サービス計画を作成しています。しかしながらその内容は、将来にわたって資料収蔵スペースと司書職員を抑制することを基調としており、憂慮されるものになっています。

  私たちは、この改革方針を見直し、都立図書館の将来構想を、開かれた場で、有識者や図書館関係者による論議を重ね作成することが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。

【都立高校図書館の民間委託の廃止と学校司書の新規採用】

6.都立高校図書館では、年々増加していく学校司書の退職者を補わず民間委託を導入し、2012年度は40校にも達しました。その結果、利用指導の劣化、生徒図書委員会活動の縮小・廃止など様々な問題が起こっています。さらに委託スタッフは低賃金で働かされ、劣悪な労働条件の下で次々と辞めていく状況にあります。都は正に官製ワーキングプアを作り出し、司書になりたいという若者の夢を無残にも挫いているのです。高校生の読書力のアップを教育政策に掲げる都が、どうしてこのような劣悪な学校図書館政策を行うのか大いに疑問です。

  私たちは、都立高校図書館を、生徒が信頼して利用でき、教養を高め、教育課程の展開に寄与できる施設にしていくためには、民間委託化を見直し、学校司書の新規採用が早急に行われなければならないと考えておりますが、いかがでしょうか。

2.回答

1)笹川たかし氏

 都立図書館及び都立高校図書館の整備充実についてのアンケートをいただきましたが、残念ながらひとつひとつにきちんとお答えする時間がございません。
落ち着きましたら関連の担当者の方から説明等をお聞きし、お返事させていただきたいと存じます。

2)宇都宮けんじ氏

1、都立多摩図書館の移転・改築について
 都民が利用する都民のための都立図書館ですから、どのような内容、構成、構造の図書館にするかは、都民および公立図書館関係者から広く意見を聞き、また、その参加で計画を決めていくべきです。

2、東京の図書館の資料保存について
 図書館の蔵書・情報を共同で利用・保存することは、図書館の地域的な差異や利用者の便宜の点からも、きわめて当然のことで、その方策の策定にあたっては、関係団体・者の協力で進める必要があります。

3、都立図書館の協力貸出事業の推進について
 協力貸出は、図書館間の連携、ひいては都民の利用のために重要な役割をもち、縮小ではなく積極的に発展させるべきです。

4、都立図書館の司書の計画的採用について
 蔵書・情報の保存・利用と都民の要望に応える司書の役割は大きいものがあり、退職職員数に見合った新規採用は最低限の措置であり、本来は増員を検討すべきものです。

5、都立図書館の将来構想の作成について
 収蔵スペースと司書数の抑制は、都立図書館として果たすべき役割に逆行するものです。公立図書館の資料の充実は、民主主義の基盤というべきものです。その基本を守った上で、その将来構想は広い参加と議論により策定することが望ましいと考えます。

6、都立高校図書館の民間委託の廃止と学校司書の新規採用について
 行政サービス・事務の民間委託は、一般に経費削減、特に人件費削減を目的に行われており、その結果、サービスの劣化と低賃金、労働条件の悪化などを招くうえ、民間委託は学校現場と学校図書館との連携にマイナスになるケースもあります。都立学校図書館をもその対象とすることは、高校生の学習、成長のためにも避けるべきです。

 

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2012年11月12日 (月)

いま、学校図書館を考える ~なぜ、学校司書が必要か~

学校図書館法改正の動きにともない、学校図書館や学校司書に注目が集まっています。学校図書館とは何かを考え、学校図書館を支える学校司書の役割を多くの人々に伝える集会を開催します。

日時 2012年11月23日(金・祝)13:30~16:30

会場 日本図書館協会 2階研修室

茅場町駅(地下鉄東西線・日比谷線)徒歩5分

中央区新川1-11-14

内容 ①「専任・専門・正規」で配属されている学校司書の活動紹介

     後藤敏恵氏(岡山市立高島小) 宮崎健太郎氏(埼玉県立新座高)

   ②学校図書館の充実を願う市民の立場から

     渡辺和子氏(学校図書館・虹の会・所沢)

   ③意見交換

資料費 500円

申込 「学校図書館問題研究会」HPより申し込んでください。

(定員120名)

問合せ 電話:090-5521-4827(木下携帯)

    電話&ファックス 042-723-8887(水越)

主催 学校図書館問題研究会/学校図書館を考える全国連絡会

 

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2012年10月19日 (金)

第15回 東京の図書館を考える交流集会

■ 日時  11月4日(日)

     13:00~17:00 (開場12時45分)

■ 会場 日本図書館協会研修室(図書館協会2階)

         茅場町下車徒歩5分(地下鉄東西線・日比谷線) 

■ 講演 「委託民営の現状と課題」

        講師 小林雅之氏(東京公務公共一般労働組合・副委員長)

報告1 「指定管理図書館の現場から」

報告2 「都立高校、民間委託化で何が起きているか」

    報告者 都立高校学校司書

 今、東京23区では図書館の委託民営化が大勢となっています。外から見たもっとも大きな変化はサービスの向上です。それまでの司書を配置しない図書館運営から、司書資格を持って希望する人たちを図書館に配置するように変わったからです。

 しかし、指定管理など民間業者への委託民営化の実態、どのように図書館が運営されているのか、委託料の支払が適切なのかなど、ほとんど不透明で多くの問題を抱えています。もっとも緊急な問題は、専門性や熱意を持った多くの人々が、ワーキングプアと言われる不安定な状態で働いていることです。

今回の交流集会は、図書館を含めた指定管理の全体状況と運動の方向や展望についての講演と2本の現場報告(◇指定管理の区立図書館で日常業務がどのように進められているか ◇現場報告、正規司書の廃止・委託化が進む都立高校から)を用意しました。

各地の状況も出していただき、論議を深めたいと思います。

みなさん、ぜひご参加ください。どなたでも参加できます。

参加費 ¥100(資料代含む)

主催:東京の図書館をもっとよくする会

連絡先 大澤042(467)4716、

池沢042(765)3382

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2012年5月30日 (水)

第17回 東京の図書館をもっとよくする会 総会のお知らせ

  指定管理・業務委託による東京23区の図書館民営化は80%に達しました。経費   削減を目的とした民間委託は、低賃金不安定雇用の図書館員を大量に生み出しました。23区の図書館の多くはこれらの人々によって支えられています。
 私たちはこのことを見つめ、どう変えていくか論議したいと考えます。どなたでも参加し、意見を述べてください。ぜひ、みなさんご参加ください。

1.日 時:2012年6月17日(日) 
       13:15~17:00 (開場13:00)

2.会 場:日本図書館協会2階 研修室
              地下鉄東西線・日比谷線 茅場町下車5分

3.講 演  13:15~14:45
    公共サービス基本法・公契約条例から
        「公共の規律」の仕組みをつくる

       講師 上林陽治氏(公益財団法人地方自治総合研究所)
  「図書館事業も公共サービスの一環。経営主体がなんであれ、公共サービスに携わるものは、「公共の規律」を遵守しなければならない……」

4.総 会 (15:00~16:45)
  1)会の活動報告、会計報告
  2)「1年の運動の進め方」等の提案
  3)各地の報告  

5.参加費:100円(資料代)

主催:東京の図書館をもっとよくする会 
連絡先 大澤 ℡042(467)4716 または 池沢 ℡042(765)3382
      FAXも電話に同じ   (手話・点字を希望する方はご連絡ください)

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2012年5月18日 (金)

新都立多摩図書館の資料保存機能の充実を求めて、都議会に陳情

 都立図書館の書庫スペースが満杯のため、都立図書館に1冊しかない大切な資料を除籍せざるを得ない状況となっています。東京の図書館をもっとよくする会は、都立図書館を考える会とともに、新都立多摩図書館の資料保存機能を充実することを都教育庁に求めるなどの働きかけを行ってきました。

 そして、3月に下記の陳情書を都議会に提出しました。66日の都議会文教委員会で審議される予定になっています。2つの団体が連名で陳情を出すことができないため、都立図書館を考える会も代表石井紀子名で同文の陳情を提出しました。

 このことについて、皆さんのご協力、力添えをお願いします。


新都立多摩図書館建設にあたり、都立図書館の資料保存機能を充実することを求める陳情

2012年3月21日提出

東京都議会議長 

中村 明彦 殿

                   

東京の図書館をもっとよくする会

        代表 大澤正雄

《願意》

 新・都立多摩図書館の建設計画において、下記の点を取り入れ実施してください。

  1. 都民の貴重な財産である蔵書を保存する書庫を確保し、将来の蔵書の増加に対応するスペース拡充を可能とすること。

  2. 来年度から新・都立多摩図書館の運用開始まで、都立図書館が1冊しか所蔵しない資料を保存するスペースと、管理・出納する態勢を確保すること。

《理由》

  東京都教育委員会は「都立図書館あり方検討委員会報告」(2002年)で都立図書館のあり方を見直し、都立図書館3館で重複所蔵する資料を除籍するものの、1タイトルの収集・保存を1冊とすることを原則とし、都立図書館の資料保存機能を堅持するとしました。

  一方、都は2009年7月に60万冊の資料保存スペースを持つ都立日比谷図書館(延床面積1万㎡)を千代田区に移管し、都立図書館の資料保存能力は減少しました。

  都立図書館は非図書資料を含め年間約8万冊の資料を収集しています。これまで複本約40万冊を除籍・廃棄してきましたが、現在、中央図書館と多摩図書館の書庫は満杯の状況です。民間倉庫を借りて凌いでいますが、来年度からは、1冊しか所蔵しない蔵書も除籍せざるを得なくなっています。

1.昨年1月27日、東京都教育委員会は、2016年3月を目途として都立多摩図書館を国分寺市に移転改築する計画を公表し、今年度、基本設計に入りました。

   都立図書館は来館者44万人と都内区市町村立図書館の利用者600万人にサービスを提供しています(「平成23年度東京都公立図書館調査」)。ホームページやメールによるサービスは全国に及びます。これらのサービスの要は資料の提供であり、資料保存機能は都立図書館運営の基盤です。将来にわたりゆとりある資料保存スペースを確保することが求められます。

2.新・都立多摩図書館が2016年に運用を開始するまで、1冊しか所蔵しない蔵書を除籍・廃棄せず、都民の利用に供することができるよう、現在借りている20万冊分の民間倉庫スペースを拡充し、管理・出納する態勢を確保することが必要です。

3.なお、都内の区市町村立図書館においても書庫スペースのひっ迫は深刻で、年間約180万冊がやむなく除籍・廃棄されています。新・都立多摩図書館は、東京都内の全公立図書館に1冊しかない資料を保存する機能も求められています。 

以上

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2012年2月24日 (金)

埼玉県高校図書館フェスティバル2012

高校図書館フェスティバル2012

-高校図書館って楽しい!-

県内高校司書が薦める2011年イチオシ本!」「イチオシ本フェアー県内各書店で行います」など人気の催しも行います。

 ◇日時 2月26日(日)13:30~16:30

 ◇会場 さいたま市民会館うらわ 1階会議室

    (JR京浜東北線ほか 浦和駅西口より徒歩7分 さいたま市浦和区仲町2-10-22

 ◇参加費 無料

 ◇日程 13:30~13:50 開会行事・基調報告

     13:50~14:20 ひと目でわかる 高校司書の一日

     14:30~15:30 実践報告:授業で活きる学校図書館

     15:40~16:30 全体交流

 ◇後援 日本図書館協会、図書館友の会全国連絡会ほか多数

 問合せ先:shelf_20110219@yahoo.co,jp

               高校図書館フェスティバルHP http://shelf2011.net

        

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2012年1月16日 (月)

日本図書館協会図書館政策セミナー「非正規雇用とは?-自治体の非正規雇用職員制度」

非正規職員が図書館職員の6割を占めるの中、複雑を極める自治体の非正規雇用職員制度の詳細を理解し、その法的根拠、国の動向、裁判判例など学習して、現状の図書館非正規職員の状況把握と今後のあるべき方向を探ります。

講師 上林陽治氏(地方自治総合研究所研究員)
日時 2012年3月5日(月)13時30分~16時30分
場所 日本図書館協会2階研修室
   (東京都中央区新川1-11-14 電話03-3523-0815)
参加費 1000円
主催 日本図書館協会
企画運営  日本図書館協会企画政策委員会
メールまたはFAX事前申し込みを受け付けています。
(申し込み先) Email:kikaku@jla.or.jp   Fax:03-3523-0841

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2011年12月14日 (水)

E1243 - 格差社会に抗議するオキュパイ運動の中の「図書館」

国立国会図書館「カレントアウェアネス-E No.206 2011.12.08」の「 E1243」に、格差是正を求める「ウォール街占拠」抗議運動の中から生まれた図書館の紹介がありました。近代公共図書館はアメリカの人民の中から発生しましたが、2~300年を経て、同じようにして自ら図書館を作る人々がいることに驚嘆します。このような図書館は、アメリカではボストン等24か所、ロンドン、パリ、フランクフルト、マドリード等各国にも生まれているそうです。日本では聞きません。

多くの人々は貧しくなり、わずかな人々のみが富むという、格差拡大が進行するのは日本も同じです。格差拡大が有利な人たちは、この解消に取り組もうとはしないでしょうから、貧しくなりつつある絶対多数の人たちが声を出していく以外に抜け出すことはできないように思います。さまざまに思いを持つ記事です。以下、「カレントアウェアネス-E No.206 2011.12.08」から記事を転載します。(管理人)

E1243 - 格差社会に抗議するオキュパイ運動の中の「図書館」

格差社会に抗議するオキュパイ運動の中の「図書館」

 「ウォール街を占拠せよ!」を合言葉に,2011年9月17日から米国で始まった格差社会に対する抗議活動“Occupy Wall Street”において,その活動拠点となっているニューヨークのズコッティ公園に,「人民の図書館」(People's Library)の名で知られる“Occupy Wall Street Library”という野外「図書館」が設置された。

 Occupy Wall Street Libraryの開設は,9月17日のオキュパイ運動の開始直後に運動参加者の一人が図書の収集を始めたことに端を発している。その参加者はすぐに別のプロジェクトに移ってしまったが,ある女性が収集を継続し,図書の整理や維持管理も行なった。そのためオキュパイ運動の総会においてその女性は「図書館員」に任命され,Occupy Wall Street Libraryがスタートしたという。

 寄贈等により蔵書は増え続け,また図書館員もボランティアとして加わることで運営スタッフが15人を数えるほどになると,Occupy Wall Street Libraryは次第に組織化されていった。同「図書館」は,「本は皆のもの」という考えの下,利用者自身が必要だと思う期間自由に借り出し,不要になったら返却するというスタイルで図書の貸出を始め,レファレンスサービスにも対応するなど利用者サービスを提供しているという。さらに同「図書館」は,このオキュパイ運動に関する文書や出版物等を収集しアーカイブする活動も行なっている。このような取組みに対し,バーチャル本棚を作成・共有できるソーシャルブックサイトLibraryThingが,同「図書館」に対してアカウントを無料提供し,蔵書のOPACも作成されている。

 しかし,11月15日の未明にニューヨーク市警察がズコッティ公園に張られたテント等の一斉撤去を行った際に,Occupy Wall Street Libraryもその憂き目に遭った。15日から17日にかけてその様子を詳細に伝えたLibrary Journalの記事によると,15日の撤去後,市当局の担当者は蔵書を安全に保管していると答えたとのことであったが,同「図書館」の担当者が16日に引き取りに行ったところ,5,000冊以上の蔵書のうち2,000冊から4,000冊の図書等が行方不明となり,返却された多くの図書やラップトップコンピューター等も破損していたという。

 この撤去に対して,11月17日に米国図書館協会(ALA)が,翌18日にカナダ図書館協会(CLA)がそれぞれ声明を発表しており,両協会とも市当局によるOccupy Wall Street Libraryの撤去は容認できないと非難するとともに,同「図書館」の再建を行う図書館員やボランティアを支援するとしている。

 このオキュパイ運動の中の「図書館」はただウォール街にのみ存在するものではない。オキュパイ運動の広がりとともに,米国ではボストンやフィラデルフィア等の24か所,英国ではロンドン,オーストラリアはシドニー,フランスのパリ,ドイツのフランクフルト,そしてスペインのマドリード等の各国・各地域で,オキュパイ図書館が開設されているという。写真共有サイトFlickrには各国での「図書館」の写真が公開されており,その様子を見ることができる。ロンドンでオキュパイ図書館を運営する「図書館員」は,「本は他とは少し違う雰囲気をもたらしてくれ,議論のための特別な空間ができる。本それ自体が人々を課題とその解決の議論にひきつけているように思う」と語っている。

Ref:

http://peopleslibrary.wordpress.com/

http://www.libraryjournal.com/lj/home/892288-264/as_a_revolution_takes_root.html.csp

http://www.librarything.com/blogs/librarything/2011/10/occupy-libraries/

http://www.librarything.com/catalog/OWSLibrary

http://peopleslibrary.wordpress.com/2011/11/16/update-state-of-seized-library-items/

http://www.libraryjournal.com/lj/home/892805-264/occupy_wall_street_library_removed.html.csp

http://americanlibrariesmagazine.org/news/ala/ala-alarmed-seizure-occupy-wall-street-library-loss-irreplaceable-material

http://www.cla.ca/AM/Template.cfm?Section=Home&TEMPLATE=/CM/ContentDisplay.cfm&CONTENTID=12095

http://www.guardian.co.uk/books/2011/nov/09/occupy-london-library

http://www.flickr.com/groups/1754828@N25/

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静岡図書館友の会 総会と記念講演会のお知らせ

☆日時 2012年1月22日(日)

総会  午後1時から

記念講演会 午後2時15分から3時45分まで

  アーサー・ビナード氏「カチカチ山に死の灰が降る日」

      ~昔話というメディアで今をとらえる~

☆場所 もくせい会館(静岡市葵区鷹匠3-6-1)1F富士ホール

               電話 054-245-1595

    一般500円(会員無料)

    連絡先 Eメール sizutomo@yahoo.co.jp

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2011年11月29日 (火)

都立多摩図書館の移転・建設で要請書を提出

都立多摩図書館の移転・建設で要請書を提出

「東京の図書館をもっとよくする会」は、10月11日、東京都教育委員長及び東京都教育長に宛てた「都立多摩図書館の移転・建設に関する要請書」を都教育庁に出し、10月中に文書回答をするように求めました。併せて、都議会各会派を訪問し、要請書の趣旨を説明し、協力を要請しました。これらは「都立図書館を考える会」と共同で行いました。

 都からの回答は、10月31日付けでありました。内容的には、何も答えない、ということです。また、形式的には、要請事項についての決定権限があるとは思えない教育庁総務部教育情報課長名の回答となっています。しかも、担当部署の言っていることをそのまま取り次いだだけで、誠意ある回答とも思われません。

 

■「要請書」

 2011年10月11

東京都教育委員長  木村     

東京都教育長    大原 正行 

都立図書館を考える会 代表 石井紀子

東京の図書館をもっとよくする会 代表 大澤正雄

都立多摩図書館の移転・建設に関する要請書

 私どもは、首都・東京にふさわしい豊かな公共図書館サービスを願い、これを支える都立図書館を一層充実していただくよう、知事、都議会、教育委員会に陳情、要望を行ってまいりました。

今年度行われている新・都立多摩図書館の基本設計について、下記のことを要請いたします。

また、この要請についてのご回答を10月中にもいただきたく、よろしくお願い申し上げます。

1.  新・都立多摩図書館の設計に当たり、少なくとも今後50年にわたり、都立図書館の資料収蔵スペースを確保するものとすること

2.  設計において、都内区市町村立図書館の意見および要望を取り入れること

要請の説明

 1について

東京都教育委員会は、2001年に都立図書館のあり方を見直し、サービスにおいては1タイトルの収集・保存を1冊とすることを原則とし、当時3館であった「現有書庫容量」を増やさないこととしました。これに対し、東京の図書館をもっとよくする会等2団体が都立図書館サービスの低下を懸念する陳情を都議会に提出し、2002219日の都議会文教委員会で陳情の意を汲む委員により真摯な質疑が行われました。

これに対し、嶋津生涯学習部長(当時)は、複本は除籍するが1冊は保存し、そのためには都立日比谷図書館のスペースを活用すると繰り返し答弁しました。

次の通りです。

「図書館サービスは、基本的には四百近い館数を持ちます区市町村の役割であるというように考えてございます。それをバックアップする機能として都立の図書館は存在し、そのために一冊の図書は持つという機能を全うするつもりでございます。日比谷図書館の書庫スペースの活用についてでございますが、今後は耐震改修によって縮小する閲覧スペースの代替、それから、視聴覚資料の保管及び中央図書館の書庫が満杯になった後の保管、そういったことが予想されてございまして、そのための活用のスペースとして考えてございます。」

東京都教育委員会は、2006824日、日比谷図書館の千代田区移管を含む「都立図書館改革の具体的方策」を策定しました。

2006年都議会第3定例会で提出された質問主意書「都立図書館の運営について」で、「次世代への継承のために考えなければならない保存書庫の設置など、図書の永久保存に向けた考え方が必要」としてその方途がただされたのに対し、東京都は、「資料の保存年限に関しては、貴重な資料や東京に関する資料については永年保存としますが、その他は原則100年間保存することとし、長期にわたる資料の保存という都立図書館に課せられた役割を果たしていくため、中長期的な計画を立て、今後とも適切な収蔵対策に取り組んでいきます。」と回答しました。

また、201131日の都議会文教委員会で、新・都立多摩図書館の建設に関わる質問に対して、松山英幸地域教育支援部長は、「平成十四年一月に策定いたしました・・・一点保存の方針により、区市町村立図書館では収集が困難な専門書や高価本など、より幅広い資料収集が可能となっておりまして、この方針は維持してまいりたい」と答弁しています。

新・都立多摩図書館の新設においては、1タイトル1冊は必ず保存する都立図書館の機能を維持するという従来の議会答弁を具体化するために、日比谷図書館以上の収蔵スペースを確保することが基本とされるべきでしょう。

2について

「図書館サービスは、基本的には四百近い館数を持ちます区市町村の役割であるというように考えてございます。それをバックアップする機能として都立の図書館は存在し・・・」という前記引用の嶋津生涯学習部長答弁は、私どもをはじめ、東京の図書館に関心をもつ者の大部分の考えを述べられたものです。

都立図書館がバックアップする都内区市町村立図書館-都立図書館のユーザーである区市町村立図書館の方々が都立図書館にかける期待は大です。日々の図書館サービスと管理運営、将来の展望をふまえた知恵や意見を、新・都立多摩図書館の設計に活かすことは有効かつ不可欠です。

以上

     都教育庁「回答」

平成23年10月31日

都立図書館を考える会 代表 石井 紀子 様

東京の図書館をもっとよくする会 代表 大澤 正雄 様

東京都教育庁総務部教育情報課長 伊藤 彰彦

都立多摩図書館の移転・建設に関する要請書について(回答)

 平成23年10月11目に貴団体から提出された要請事項につきまして、別紙のとおり回答いたします。     

別紙

要請に対する回答について

1 収蔵可能冊数については、中長期的に都立図書館に必要な収蔵スペースを備えていく予定であるが、基本設計前なので、現時点では具体的な数字はお答えできません。

 (所管:地域教育支援部管理課)

2 要望に対して個別の回答はいたしかねるが、要望書等については、随時受け取らせていただきたいと考えております。  

 (所管:地域教育支援部管理課)  

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